the PLAY/GROUND vol.0『背信 | ブルールーム』終演のご挨拶

the PLAY/GROUND vol.0『背信 | ブルールーム』、おかげさまで一昨日の1/10に無事に全公演が終了しました。連日たくさんのお客さまにご来場頂き、延べ1000人以上の方に観て頂くことができました。ご来場のみなさま、本当にありがとうございました。予想を遥かに超えるお客さまに来て頂いたため、ご予約をお受けできなかった方も多く出てしまいました。当日の受付や客席誘導も俳優のみでやっていたので至らない部分もあったかと思います。この場をお借りしてお詫び致します。日々たくさんのお客さまに立ち会って頂けたことがなによりも僕の励みになり、そのことで本当にやって良かったと思えました。ありがとうございました。

そして、シアター風姿花伝のみなさま、スタッフ・キャストのみなさま、本当にありがとうございました。さまざまな制約のもと、積極的に関わってくださり、サポートしてくださり、エネルギーを注いでくださったおかげで、特別な「力」の渦巻く素晴らしい時間・空間が生まれたと思っています。本当にありがとうございました。


昨年6月、ほんの出来心で、しかも一回限りのつもりでやってみたワークショップ(的な)企画「actors’ playground」が、たった半年の間にここまで広がりをみせ今回の公演に辿りついたことに、僕自身が誰よりも驚いています。その都度なにかしらの決断をし行動を起こしてきたのは僕自身ではありますが、その決断に至るまでには目には見えない「縁」や「偶然」のようなものがあり、多くの方からの精神的なサポートがありました。もっと言うならば、それまでの僕の俳優人生において、僕にたくさんの「種」を蒔いてくれた方々のおかげで、僕は今回の企画を実現に移すことが出来たのだと思います。

特に、僕を演劇の世界に引き寄せそこに飛び込む契機をくださったつかこうへい先生、演劇人としての僕を育ててくれた僕のビッグダディ・TPTの門井均プロデューサー、俳優として人間として相手と本当に「関わる」ことを教えてくれた僕のアクティングコーチ・金末順(キムマルスン)先生、数年前に僕に「バトン」を渡してくれた尊敬すべき大先輩・手塚とおるさん、この企画を立ち上げるにあたって絶大なる影響を僕に与えてくれた戦友であり同志であり友人・池内美奈子さん、この企画をやるならば絶対にここでやりたいと決めていて、今回多大なるサポートをくださったシアター風姿花伝那須佐代子さん・中山大豪さん、そしてここに書ききれないすべての関わってくださった方々、影響を与えてくださった方々、応援してくださった方々に心から感謝しています。

僕の思いつきや直感だけで進んできた今回の企画はさまざまな矛盾を孕む企画でもありました。そのことで多くの人に迷惑をかけ、少なからず混乱も生じました。でも僕は、それでも「前に」進むことが必要だと揺らぐことなく信じ続けました。それは僕のわがままだと批判されるべきことなのかもしれない。それを引き受けるだけの能力もないくせにと怒られるかもしれない。そして実際そうなのかもしれない。常に自問自答しながらの日々でした。でも、自分から、自分たちから、進むべきゴールを手前に設定したくない。乗り越えるべき壁を低く設定したくない。僕たちの手の届く世界の境界を狭く設定したくない。どこまでも遠くに行ける、どこまでも遠くに行きたい、その想いを失わなければ、きっとさまざまな矛盾や問題点などどうにでも出来る。そしてきっと、それを避けようとするよりもずっと遠くに行けるに違いない。そう信じ続けられるだけの確固たる揺らがない信念を失わずにやってきました。そのことが正解であったかどうかは僕にはわかりません。そして反省点は多々ありますがまったく後悔していません。今回のことを踏まえてたくさんの反省をし、改善をし、信頼すべき仲間たちからの助言をもらいながら、僕自身もこの企画そのものも成長していきたいと思います。


俳優たちの「遊び場」と名付けたこの企画は、俳優による「独立宣言」という形で本格的に始動しました。今後どのように進んでいくのかは、信頼する仲間たちの意見ももらいながら改めてゆっくり考えます。でも僕の中にはすでに次々とアイデアが湧いて出てきています。これまで開催してきた計8回の「遊び場」も、今回の「公演」も、長い長い道のりの通過点に過ぎません。ここまでが「序章」、ここからがようやく「第1章」の始まりです。

次に観客のみなさまと『劇場』という「遊び場」でお会いできるときには、今回よりももっともっと素敵な遊び場が用意できるよう、僕をはじめメンバーともども力を蓄えていきたいと思います。楽しみにお待ち頂けたら、末長く見守って頂けたら幸いです。


今後ともよろしくお願いいたします!


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(撮影:福島奈津子)




PLAY/GROUND Creation 管理人
井上裕朗